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屋根修理コラム

屋根材
2024年12月25日 [屋根材]

スレート屋根に屋根カバー工法をおこなう費用と相場って?注意点も合わせてご紹介


スレート屋根(セメントを主成分とする厚さ5mmくらいの薄い板のような屋根)のメンテナンス工事でよく行われる「屋根カバー工法」。

名前を聞いたことはあっても、メリットやデメリット、費用相場など詳しいことはわからないという方も多いでしょう。「屋根カバー工法」は、正しく行えば、費用を抑えながら屋根をリフォームできる有効な方法です。今回は、屋根カバー工法について解説します。

 
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屋根のカバー工法とは

「屋根カバー工法」は、どういった工事を行うのでしょうか。

現状の屋根材の上から新しい屋根をかぶせる(カバーする)ことを意味

屋根カバー工法とは、現状の屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる施工方法のことを言います。

工法は主に2種類あります。

一つは、既存の野地板(屋根材を支えるために張ってある板)の状態が良い場合に採用する「直接下葺き材カバー工法」です。

もう一つは、野地板の状態が悪い場合に古い屋根の上に野地板を張って、その上に防水シートと新しい屋根をかぶせる「野地板増し張りカバー工法」です。

屋根の傷み具合によってどちらか最適な工法を採用します。

屋根カバー工法の歴史

日本での屋根カバー工法の歴史は意外と古く、1957年、群馬県の榛名神社の拝殿で行われた記録があります。

その後、1970年代になって金属屋根の普及とともに徐々に広がっていきました。

この頃は、主に工場や倉庫などの大型建築物に採用されることが多かったようです。

住宅で普及するようになったのは、スレート屋根の劣化で注目されるようになった1990年代です。アスベスト問題が浮上するようになり、既存の屋根を撤去せずに済むこともカバー工法の普及を早めたと言われています。

2000年代以降は、建物の省エネが求められる中、断熱性や遮熱性に優れた屋根材や工法が開発され、建物の省エネ化が求められる時代背景に合わせてニーズが高まってきました。

現在では、住宅の状況に合わせて最適な屋根材や工法が選べるようになっています。

屋根のカバー工法の費用について

実際、屋根カバー工法を採用した場合、費用はいくらくらいかかるのでしょうか。

屋根のカバー工法(重ね葺き)の平均費用は120万円くらい

屋根のカバー工法の平均費用は、約120万円と言われています。

ただし、屋根の大きさや形状、傷み具合などによって変わるため、一般的には50万〜250万円くらいかかるケースが多いようです。

屋根のカバー工法(重ね葺き)費用が安い場合の注意点

屋根のカバー工法(重ね葺き)の費用が思ったより安いと感じた時には、信頼できる業者に依頼しているか相見積もりなどで金額と工程を今一度確認してみましょう。

屋根工事を請け負う中には費用を安くして多くの注文を取ろうと、屋根材など劣化が早い安価な素材を使用するケースもあります。

そうなると、数年で屋根材が寿命を迎える可能性があり、数年後に工事をしなくてはいけない状態になるかもしれません。

屋根のカバー工法は自分でできる?

屋根カバー工法は、吹き替えと違って新しい屋根をかぶせるため、自分でもできるのではと考える方もいるでしょう。

しかし、屋根修理のDIYには、いろいろな危険が潜むものです。

たとえば、屋根から転落して大ケガをする、問題ない屋根を誤って壊してしまう、正しい修理ができず雨漏りにつながってしまう、取り付け方が甘く台風などの暴風で屋根が飛ばされてしまうなどして、改めて業者に修理を依頼するケースも少なくありません。

かえって費用が余分にかかってしまいますので、最初から慣れたプロに任せるのが安心です。

カバー工法を行う時期について

屋根カバー工法を行う時期にはどんな目安があるのでしょうか。

築年数では決められないもの

カバー工法の適正時期は、築年数だけで決めることはできません。

おおよその目安としては築15年程度で屋根カバー工法を行うケースが多いですが、築10年もたっていない屋根でも工事をすることがあります。これは、以前、不具合が発生しやすいスレート屋根が流通した時期があったためです。

築20年未満のストレートは製造時期に注意を

2000年代初頭、アスベスト規制直後に製造されたスレート屋根は、割れたりめくれたりするなど不具合が多い傾向にあります。

アスベスト規制直後に販売されたスレートが張られている場合は、日ごろから点検をおこない、不具合があれば早めの屋根カバー工法を検討することをおすすめします。

屋根のカバー工法のメリット

屋根のカバー工法には、どんなメリットがあるのでしょうか。

断熱性や遮音性、防水性がアップする

屋根カバー工法は、これまでの屋根の上に新しい屋根を重ねるため、二重構造となって「断熱性」「遮音性」「防水性」がアップします。

特に、これまで雨音が気になっていたという方にはおすすめです。

工期が短い

屋根カバー工法では、葺き替え工事と違って古い屋根を取り外す必要がありません。

そのため、葺き替え工事期間が長いところでは1か月近くかかるのに対し、屋根カバー工法の場合は、2週間程度で完了します。

また、屋根を解体する作業もないため、仮住まいを探す必要もなく自宅で生活しながら工事を進めることができます。

リフォーム費用が安い

屋根カバー工法は、古い屋根の上に新しい屋根材を重ねるだけなので、古い屋根を撤去して処分する費用が発生しないので「葺き替え工事」の場合に比べて、コストを安く抑えることができます。

騒音や埃などが少ない

葺き替え工事など屋根を交換する工事では、騒音やホコリが発生することがあります。

カバー工法ならば、工事中に騒々しい音やチリが発生するリスクが少ない上、工期が短いので、周囲の方にも迷惑をかけずに済みそうです。

アスベストに対応

2004年より以前は、スレート屋根の材料にがんの原因になりやすいアスベスト(石綿)が使用されていました。

現在ではアスベスト入りの製品の製造・販売は中止になっていますが、現存の住宅の中には屋根にアスベスト材が含まれる建物が残っているのが現状です。

葺き替え工事を行うとなると、アスベストの処分費用や、解体時にアスベストが近所に飛散しないよう対策が必要となります。

屋根カバー工法なら、屋根を壊すことなくリフォームできます。

 
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屋根のカバー工法のデメリットは?

屋根のカバー工法のメリットをご紹介しましたが、逆にデメリットも存在します。

火災保険を利用したい場合は不向き

強風や雪の影響で破損してしまったり、雨漏りしていたりする場合に、火災保険を使って屋根の修繕を考える方もいるでしょう。

しかし、カバー工法では火災保険が適用されない可能性があります。

火災保険の対象となるのは、原則として「災害前の被害に遭わなかった場合の状態に戻す」こと。

そこで既存の屋根を検討する際には、火災保険が適用されるかされないか、確認しておきましょう。

耐震性に影響がある

屋根カバー工法は、従来の屋根の上に新しい屋根を乗せるため、屋根全体の重量が増えて、耐震性に影響が出る恐れがあります。

しかし、ガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板など、重量が瓦屋根の半分以下の屋根材が普及してきたことで、重量の増加を最低限に抑えることができ、耐震性への影響がないケースも増えてきました。

瓦屋根は対応できないことが多い

もともとの屋根の上に、フラットな金属屋根材などを固定する屋根カバー工法では、波型の形状の屋根や、厚みがある屋根材の上に固定することが難しいです。

瓦屋根は、カバー工法でのリフォームは厳しいと言えるでしょう。

内部補修が必要な場合は対応できない

屋根の下地や内部が劣化していて内部の補修が必要な時、その上から新しい屋根をかぶせるだけでは危険で、修理をしたとは言えません。

内部の劣化した下地の交換も必要です。この場合は、葺き替え工事の方がおすすめです。

カバー工法ではなく葺き替えした方がいい場合は?

屋根のカバー工法は、平板スレート及びアスファルトシングルなどの表面が平らな屋根に対して行う工法です。

厚みのある「瓦・セメント瓦」「波型スレート」などの屋根は、葺き替えの方が適しています。

すでに雨漏りしていたり、屋根裏に結露が見られるときは、下地にも不具合があるので、葺き替え工事で下地も交換が必要になります。

また、耐久性や耐震性を求めるのであれば、屋根に重みが増す屋根カバー工法ではなく、葺き替え工事でのリフォームの方が安心です。

屋根のカバー工法は何か確認申請が必要?

屋根のリフォーム工事の際、工事の方法によっては「確認申請」が必要なものがあります。

具体的には、木造3階建てや鉄筋2階建ての住宅の屋根の大規模な修理を行う際、確認申請が必要です。

「大規模修繕扱い」となるかどうかの基準は、お住まいの自治体によって異なるため、工事に入る前に、修理を依頼した業者に申請が必要かどうか確認してみましょう。

屋根カバー工法を安心して行うために確認したいこと

屋根カバー工法で失敗しないためには、安心できる正しい業者を選びましょう。選ぶポイントとしては、下記の通りです。

・複数の業者から見積もりを取って価格や工法などを確認
・業者の実績や評判をホームページや口コミサイトで確認
・業者が必要な資格を持っているか、必要な保険に入っているかを確認
・適切な契約書を用意し、交わしてもらえるかを確認
・工事を行う際に、近隣への配慮がきちんとできる業者かどうかを確認
・工事後の補償内容や期間について他社と乖離がないか確認


屋根のカバー工法はヤネプロ

葺き替え工事より費用も工事期間も少なく済む「屋根カバー工法」ですが、適用される屋根とこの工法が向かない屋根があります。

ヤネプロでは、みなさまのお宅の屋根の最適なリフォーム方法をご提案していますので、お気軽にご相談ください。

 
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